オーディオに於けるケーブルの威力を知ったのは

昨年（2013年）暮のことでした

これまでの出会いは自分の耳で聴いて

「一目（耳）惚れ」したものでしたが、

ケーブルとなるとそうはいきません

随分以前に何本か試して現状に落ち着いてた均衡を

破ったのはお店の常連伊藤さんの好意に満ちた推奨でした　

それが【イソダケーブル】だったのです

ネットで調べると、「ヨーロッパで先に評価されて、

英独仏伊、北欧諸国への輸出が主という変わり種、1990年

欧州のオーディオ誌で『ワールドベストケーブル』

という賞賛を受けている【幻のケーブル】として

評価の高い逸品であることが解りました

銅線をPVC被覆した芯線を、細目のアルミ線と錫鍍金の

銅線を二重螺旋構造した側線七本（夫々PVC被覆）で

包み込み、磁力線の干渉を排除する

【イソダケーブル】の効果は正に劇的でした

驚く程歴然と音の解像度・定位感が向上、以前に較べると

音にスポットライトが当たったように翳りの無い、

明快な音色に変わりました

決して強烈な個性を発揮する音ではなく、

むしろ音の粒子が限りなく霧状になって

透明感と解像度が著しく増した見通しの良い音なのです

第一印象は必ずしも良いものではありませんでした

それまで銅線効果で陰影に富んだ色彩感を伴った音が、

急に音に潤いが感じられなくなったからです

しかし、数日間のエイジングを経て聴き直してみると、

音の微粒子が極めて自然な姿で浮かび上がる

イソダサウンドの方が、記録された音を脚色なく

よりリアルに再現していることが解ってきたのです

その特徴を次に纏めてみました

■「イソダケーブル」の三大効能

●圧倒的な解像度

フルトヴェングラー指揮ウィーンフィルによる「運命」の

冒頭から何度も繰り返される主題が、

使用される楽器の細かなニュアンスと共に

毎回変化しているのが手に取るように解ります

シャンソンやタンゴのヴォーカルを聴くと、これまでは

夕闇から浮び上がってくるような哀愁に満ちた音色が

魅力的だったのですが、イソダサウンドでは一味違います

徒らに強調された湿っぽい哀愁ではなく、

質感が豊かで生々しい哀愁、

何よりも決して部屋の雰囲気を陰気にしない

ポジティブな哀愁なのが気に入りました

●レスポンスの向上

バックロードホーンという「オートグラフ」の特徴は、

演奏会の雰囲気（ホールトーン）を再現するもの、

その落ち着きのある滋味豊かな音こそ

ブリティッシュ･サウンドだと私は思っていました

しかし、先の「運命」の引き締まった演奏は、

それが私の単なる思い込みであることを

実証してくれました

ベートーヴェンの時代に、これほど緊迫したレスポンスを

要求する音楽は異例だったのではないでしょうか

「運命が人生の扉を叩く」というモチーフに

もたつきは許されません

輪郭が明瞭で、生のスピード感を再現するイソダサウンド

それによって「オートグラフ」が見事に

このベートーヴェンの要請に応えているのです

●盤を選ばない再現性

ジャンルを問わず愛すべき素晴らしい音楽、

ウィーンの洒落たメロディーもその一つです

昨年常連さんからリーゼロッテ・マイクル（ソプラノ ）の

「わが夢の街、ウィーン」を推奨され、

頂いたＣＤが気に入ってそのＬＰを購入しました

彼女はウィーン国立歌劇場の専属歌手ですが、

カラヤンの指揮するオペラに端役で登場する程度の

知名度しかありません

カール・テルカル(テノール )を相手にデュエットで歌う

「わが夢の街、ウィーン」だけは期待通りだったのですが

このＬＰの他の曲目は全く魅力が感じられませんでした

ところが、驚いたことに「イソダケーブル」になってから

他の曲も実に生々しく蘇ったのです　

ヴァイオリンの小品から始め、声楽、交響曲、

ジャズ、シャンソン、タンゴなど次々に聴き直してみて

所有ＬＰ六千枚の大半が、

ジャンルを問わず生き返ったように感じられます

■「イソダケーブル」の真価

暫く「イソダケーブル」の齎した【音の革命】の

本性について考え込んでしまいました

私が音楽ではなく、音そのものについて知りたい

と思った機会は少ないのですが、

八〇歳のイダ･ヘンデルの繰り出す五色の弦の音色、

イヴリー･ギトリスの弾くヴァイオリンの銀色の輝き、

何れに耳を傾けても波動というほかありませんでした

達人の発する生の音は、それだけで十分に魅力的ですが、

音楽と結びついて録音された音は、再生の過程で

再生装置の持つ個性に応じて変化をします

オーディオの達人礒田氏が25年の歳月を掛けて

音の歪みを徹底的に排除して到達したもの、

それが目の前に鳴り響く生の音、

原音の忠実な再生だと得心しました

三大効能はその結果なのです

そこには電気再生固有の歪みから来る違和感が

全く感じられません

私が蓄音機の世界に魅せられた最大の要因、

電気再生の音にまとわりつく違和感、

その障壁を乗り越え、音盤に刻まれた音を等身大で

違和感なく再現する信頼性こそ、「イソダケーブル」の

最大の功績であり真価だと確信しました

その違和感排除の秘密は正と負の逆磁場を発生する

複層二重螺旋構造にあるようです

電気信号が電線を伝わるときに発生する磁場が

電流自体をを阻害するローレンツ・フォース現象を

この逆磁場が抑制するとのことでした

私には物理的なことは全く理解できないのですが、

一旦「イソダケーブル」により磁場を除去した装置に、

短い銅製ケーブルを中間に接続してしばらくすると、

磁場が再発して音が凝縮し重くなっているのが

聴覚上はっきり確認出来たのです

■「イソダケーブル」の普及活動

年が明けて、お正月に来られたお客様の

「イソダケーブル」による新しいタンノイの音は

頗る好評でした

柔らかく、揉みほぐされて繊細な、解像度の高い音に、

「オートグラフをここまで鳴らすとは」という賛辞も含め

皆さんが異口同音に「良くなった」と言われました

当店にはＳＰだけでなく、ＬＰを聴きに来られる

オーディオ通のお客様も多いのです

常連伊藤さんから、1999年に停止していた営業活動が

2008年に再開され、

新製品「HXシリーズ」が販売されているとお聞きして、　

是非このケーブルをお客様にお試し頂き名品の普及に

ご協力させて頂こうと決心しました

常連伊藤さんに相談すると早速礒田さんから

貸出用のケーブルを取り寄せてくれました

実は伊藤さんは日軽金の開発課長時代、

礒田さんの開発を支援し、

欧州のハイエンド･オーディオショーに

積極的に売り込んだ共同開発者だったのです

ピックアップアーム最大手ＳＭＥ社のアイクマン社長は、

ご自身の装置の配線を　「イソダケーブル」に交換、

以後生涯にわたって取替えることはなかったそうです

当店の試聴用ケーブルを遠慮なくご活用頂き、

お客様のオーディオ装置の改良にお役立て頂ければ

同好の士として誠に幸甚に思います